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蕨駅より徒歩7分、川口市芝の歯科医院・アール歯科川口芝院です!
6月30日は半年分の穢れを払い、残り半年の無病息災を祈願する「夏越(なごし)の祓(はらえ)」。
神事において1年の節目を迎えますが、6月は私たち歯科業界にとっても、節目にあたります。
6月4日の「むし歯予防デー」を皮切りに、お口の健康週間・自治体のフッ化物塗布・新年度歯科健診などが全国で実施され、歯科医療従事者にとって、一層身が引き締まる時期の到来です。
今回は「むし歯予防デー」にちなみ、先進のむし歯予防法をご紹介したいと思います!
むし歯が少ない国として有名なスウェーデン王国。
みなさんは、スウェーデン国内でむし歯予防法として推奨され、国民の約8割が知っているとも言われる「イエテボリ法」をご存知ですか?
「イエテボリ法」は、世界的に知られるイエテボリ大学歯学部で発案された、フッ素入り歯みがき粉の効果を最大限に引き出す、別名トゥースペーストテクニックと呼ばれるセルフケアの方法です。
フッ素は「歯質の強化」・「酸産生を抑制する効果」・「再石灰化の促進」など、むし歯を予防する多くのメリットがあることで知られますが、そのフッ素の効果をホームケアで活用するために考案されたイエテボリ法の手順をまずはご紹介したいと思います。
☆イエテボリ法(別名:イエテボリテクニック・トゥースペーストテクニック)
用意するもの:フッ素入り歯磨剤・歯ブラシ
☆手順
①フッ素入りの歯磨剤を2cm歯ブラシにつける。(※日本では年齢別応用量を守る。6歳未満は特に注意)
②2分間ブラッシングする。
③歯磨剤を吐き出さず、10mlの水を含み1回だけお口をすすぐ。(※10mlの目安はティースプーン2杯分)
④すすぎ後は2時間飲食をしない。
みなさん「これならできそう!」と思われましたか?「それはちょっと」と思われましたか?
イエテボリ法で特出しているなと私が感じる点は、そのシンプルさです。
フッ素入り歯磨剤と歯ブラシさえあれば、どこにいても気軽に実践できるというハードルの低さは、毎日の積み重ねが功を奏するむし歯予防にとって大変大きな強みと言えます。
私も実践してみましたが、すすぐ前に歯磨剤を吐き出してしまったり、少量の水で1回だけすすぐという方法に慣れるまで時間がかかったりして、少し苦労しました。
歯みがき後2時間飲食をしないというルールを厳守するのは大変かもしれないですが、やはりいつもの磨き方と比べ、磨いた後のスッキリ感・歯のツルツル感が長持ちする気がしたので、効果があるのではないかと思います。
イエテボリ法は、お口の中のフッ素濃度を高め、再石灰化の時間をしっかり取ることがポイントです。
違和感が強かったり、縛りが厳しいなと感じられる場合は、歯みがき前にフロスをしっかりあてる・洗口液でしっかりすすぐ、歯を磨いたら次の飲食までなるべく間隔をあけるなど、自己流アレンジをしてみても良いのではないかと思います。
今回ご紹介したイエテボリ法は、セルフケア方法でしたが、歯科医院の予防医療や本格的なクリーニング(PMTC)を取り入れることで、より高い相乗効果が期待できます。
PMTCはむし歯予防に加えて、口臭や歯周病の予防にも効果を発揮します。
くわしくは当院のホームページをご覧ください!
夏越の祓に合わせて食べる和菓子「水無月」を楽しんだ後は、むし歯予防を忘れずに!
最後になりましたが、イエテボリ法をお試しされる場合は、日本で推奨されているフッ化物濃度と応用量を守って行ってください。 (※1)
*1フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量
①歯が生えてから2歳
フッ化物イオン濃度:900~1,000ppmF
使用量:1mm~2mm程度(米粒程度)
②3歳~5歳
フッ化物イオン濃度:900~1,000ppmF
使用量:5mm程度(グリンピース程度)
③6歳~成人・高齢者
フッ化物イオン濃度:1,400~1,500ppmF
使用量:1.5cm~2cm程度(歯ブラシ全体程度)
厚生労働省e-ヘルスネットより(2023年04月19日現在)